数年前マンガ対象を受賞したアニメ「ゴールデンカムイ」
時代背景は日露戦争直後の戦争帰りの帰還兵、アイヌ民族として生活してきた少女、徳川家に忠義を尽くし、今もなお多くの人に影響を及ぼし続ける新選組の生き残りとされる土方歳三、日ロ戦争時多くの犠牲者を出しながらも勝利に導いたとされる北海道第七師団の中尉とされる人物、そのような人物を中心としながら、アイヌの人たちが掘りためた砂金の埋蔵金をめぐり、物語が繰り広げられます。
ある者はその資金を使い武器工場を造り部下とその家族の安定収入を得させるため
またある者は民族独立運動(その当時のロシアは旧ロシア正教を中心とした王立制度、スターリンを始めとする社会主義、そして以前からの少数民族などで構成されています)少数民族をたばねた独立国家実現のため
日露戦争帰りの帰還兵は死んだ戦友の妻の治療のために必要なお金を得ることと、アイヌの少女が父親の真実を知るために協力する。
といった、それぞれの生きざまを描きながら、個性が強すぎる(かなり変態的な登場人物)ある時は仲間、ある時は殺し合い、憎んでいるようで信じている。
多くのドラマやアニメも善人と悪人と単純に分けて描くケースも多くありますが、このアニメは一人一人の人を見つめ、共感を得られる部分と、受け入れがたき見にくい部分の両面を描くことにより
人の二面性を表しながらストーリーが展開されていきます。
アイヌ民族の少女から狩猟を中心とした生活様式、山菜を中心とした食と食べ方
神威(神様)と人とのかかわり方などが緻密に詳細に、また、アイヌ文化を知る上においても役に立ちます。
色彩描写も美しく非常に感動するアニメです。
最後に、アイヌ語での「アイヌ」の意味は「人」という意味だそうです。