本来、自然界には農薬といったものは存在しておりません。
多くの人が見た目の美しさ、あるいは虫が食べていない、虫食いの穴がないキレイな野菜果物を望みます。
それと大量生産、大量販売時代が長く続き、品物が店頭に並ぶときに「キレイじゃないと誰も買わない。」と、味わい、香り、安全、健康 といった食の基本の「当たり前」「見た目重視」といった指向性が「農薬を使わないと良いものは出来ない」といった考えで、生産されている農家さんが全国各地に多くいらっしゃるのも事実です。
私の友人が北海道の富良野で農業を営んでいますが、彼が以前こんなことを私に言いました。
「うちの野菜は強いから農薬を使わなくてもいいんだ。」
彼が言うには「農薬を使えば使うほど野菜が弱くなり、土が死ぬ」と。
土を活かす。
自然の生態系を復元する手助けをし、恩恵として作物を賜る。
との考えだそうです。
「土を活かす」自然の生態系を復元するといった考えだそうです。
また、私たちが関わらせていただいている農家さんで、神奈川県相模原市、田名(たな)というところでクルミの一種で「姫くるみ」というクルミを栽培されている方がいますが、その方が言うには、20年近く姫くるみ栽培を農薬、肥料不使用でクルミ栽培を続けてきた中、「収穫量が増える」という事で有機肥料を試したそうです。
木の根元に説明書にある容量通りに肥料をまいたそうです。
その年のクルミの収穫量は例年比較の5分の1以下であったそうです。
その後その方は、自然環境(多くの生き物が同時に生息している)をイメージしたそうです。
農薬不使用でお米作りもされていて、お米の収穫後、稲わらを土に漉き込み、トカゲやミミズその他の生き物がそこに住み、糞尿を微生物が食す。
そしてその栄養を木が取り込む。
その方法で4、5年栽培を続けていらっしゃいますが、実の質、量ともに着実に収穫量が増えているそうです。
土を殺さない、土の中で生きている生き物を殺さず活かす。
まず人は地球の一部で、無数の生き物と共存共栄の関係にあり、すべてが繋がり、何かが滅ぶとバランスが崩れる。
まず自らが地球、自然の一員として生きているという自覚を持ち、いつも自然に配慮をしながら生きる。
その考えを中心に農業の明日を見つめ続けたいと思います。
農薬問題は根の深い問題であり、しかしながら決して避けてはならない問題だと存じます。
今まで同様、全国各地で農業を営む方たちと共により良い形を目指したい
こころマルシェはそう考えています。